
JST創発的研究支援事業 (2023-2030) の研究として,都市の固有性と均質性を生み出すメカニズムを長期間にわたる都市・交通・活動の実証データから明らかにする.過去40年の4期間の交通行動データと施設立地データを用いて,活動・交通行動を再現するエンコーディングモデルを構築し,時間利用の変化や都市政策に対する反応を明らかにする実証研究を行う.

UberやLyftのような配車サービス(ride-hailing),人口低密度地域におけるDRT,コミュニティによって運用されるトークンオークション型カーシェアのような新しいモビリティサービスに対して,成立条件や新しい割当メカニズムなどの理論的解析,実データに基づく利用者行動分析を通じた実証,社会実装,の全てのレイヤーにわたって研究する.

多様な交通行動データと統計学・計量経済学・機械学習の方法を融合し,利用者行動の理解と複雑な利用者意思決定のモデル化を行う.1日の中での時間配分やE-commerce・オンライン行動とフィジカル空間の相互作用,任意の都市規模に適用可能な汎用交通行動モデルの構築,認知負荷を考慮した意思決定モデルなど.

都市内における様々な主体の活動(需要行動や供給行動,立地選択など)や交通行動(目的地選択や経路選択,運転パターンなど)に影響を与える要因を特定し,政策と実行動・選択の因果関係を明らかにすることで,より良き都市設計に活かす.

東日本大震災のような大規模な災害やCOVID-19のような世界的なパンデミックが発生した際に,我々の都市活動・交通行動はどのように変化するのだろうか.個別の行動の変化が都市・交通システム全体にどのような影響を与えるのだろうか.社会のレジリエンスを高めるにはどうすべきか,を実データから明らかにする.

交通流の物理的特性に着目した交通流理論や交通ネットワークのトポロジーに強く影響を受ける交通ネットワーク理論はPINN (Physics-Informed Neural Networks) の台頭によって新たな展開を迎えている.新しいデータと手法を既存理論といかに融合するかが,この分野における重要な研究課題となっている.